水がしみて痛い
こんにちは、衛生士1号です。お彼岸が過ぎてもなかなか涼しくならずにだらだらと暑い日が続きましたが、10月半ばを過ぎてからいきなり気温が下がり、急に冬の足音が聞こえてきましたね。ここ数年で過ごしやすい季節が段々と短くなっているように感じます。昭和生まれの1号は季節の移り変わりが急激すぎて寒暖差に体がついていかないです…皆様も体調には十分お気を付けください。
気温とともに水が冷たくなってくると「水がしみて痛むので虫歯かもしれない」とご予約される方が増えてきます。歯が痛いと虫歯かな?と不安になりますよね。でもその痛み「知覚過敏」かもしれません。
CMなどでもよく耳にする知覚過敏とは「熱いもの・冷たいもの・甘いもの・歯ブラシによる摩擦などの外部刺激に対して歯髄(歯の神経)が過敏に反応して痛みを感じる現象」のことを言います。歯や歯周組織(歯を支える組織)に何らかのダメージや欠損が生じると普段は何も感じないようなちょっとした刺激でも知覚過敏の症状を引き起こすことがあります。
実はその知覚過敏、かみしめや歯ぎしりが原因で起きていることが多いです。かみしめや歯ぎしりをすることで歯が強く押されて強い圧力がかかると、エナメル質やその内側の象牙質の細胞間の結合がはがれてきて隙間が開きます。すると歯の外からの刺激が歯髄に伝わりやすくなってしまい痛みを感じやすくなってしまいます。歯に穴が開いているように見えないのに水がしみたりするのはこういった現象が起きているからなんですね。なかには空気を吸うだけで歯がしみるという方もいます。
ではなぜ歯が欠けたり穴が開いたり神経が傷ついていなくても、刺激が伝わりやすくなっただけで歯に痛みを感じるのか?それは歯髄が痛覚しか感じられないためです。食べ物の温度や柔らかい・固いなどの触感は歯以外の組織が感じているだけであって歯の神経自体はどのような刺激が伝わっても「痛み」として感知します。歯はそれだけ人体にとって大切な器官ということですね。
知覚過敏はしみる時もあればしみない時もあったりと日和見であることが多いです。痛みが落ち着いたからと放っておくと刺激を受け続けた歯髄が炎症を起こして歯髄炎へ昇格する、なんてこともあったりします。軽度の知覚過敏だったら歯を削らないで症状を抑えることもできますし、重症化しないように対処することも十分可能です。
ざっくりとした説明になりましたが、知覚過敏についてなんとなくご理解いただけましたか?でも「知覚過敏だと思ったら実は虫歯だったり歯が割れていた!」ということもあり得ますので、なんだか最近よく水がしみるなぁと思ったら、あまり長い間放っておかずにぜひ歯医者さんへ行って見てもらってくださいね。
